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2015年1月24日土曜日

もぐら通信第29号をお届け致します。

こんにちは、

もぐら通信第29号をお届け致します。

今月号は、

1.詩人長田弘 『安部公房を読む』と、
2.岩田英哉 『安部公房と共産主義』

この二つをお届けいたします。

前者の論考では、この一流の詩人による論によって、『砂の女』が如何に安部公房の人生にとって転回的な作品であるかその意義が明らかになりました。この論考は、当時は安部公房の頭のなかで構想されていた筈の安部公房後期の、1970年代の最初の第一作『箱男』に至るまでの読解の射程を備えています。

後者の論考では、この詩人の優れた読解を受け継いで、同時に1950年代の安部公房の日本共産党員時代のテキストを読むことによって、何故安部公房が詩人から散文家に変容することができたのか、そうして安部公房の詩人としての危機は何であったのか、どうやってそれを超克したのか、安部公房がそれによって得たものは何かを明らかにしております。

と、 同時に、何よりも大切なことは、この共産主義を克服する安部公房を知ることによって、その前後のすべての、即ち10代の詩群から最晩年の遺作『飛ぶ男』に至るまでの安部公房の藝術活動がすべて一つにまとまり、整理されて、有機的な関係の総体として、安部公房の人生が、わたしたち読者の目の前に開かれることになったことです。

この第29号という新年号は、その意義においても、もぐら通信と読者にとって転回的な、記念すべき号となりました。

もぐらのあなた自身にとっても、今年が良き歳でありますように。

ダウンロードは、次のURLです:

http://goo.gl/xURrp6

それでは、今月もまた、あなたの巣穴で、安部公房との楽しいひと時をお過ごしください。

では、また次号にてお目にかかります。

もぐら通信

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