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2013年3月16日土曜日

大菩薩峠と安部公房


大菩薩峠と安部公房

昨日Kindle Fire HDにて大菩薩峠を読んでいたら、カンガルー•ノートに出て来た賽の河原で歌われる和讃が歌われていました。

安部公房を、このような従来の文学の線の中に措いて、その文学の評価をするということは、存外大切なことではないでしょうか。

安部公房自身は、自分で言っている様に、自分の小説を多種多様な情報の宝庫、ひとつの地図に依ればこうもみえ、別の地図を頼りにすればああも見えるというように製作しています。

和讃という視点から、そして武芸者小説との関係で、安部公房の小説を読むとは、これ如何に。

安部公房のヒーローたちは、みなアンチ•ヒーローですから、陰画としてのヒーロー、甚だ格好の悪い主人公たちですが、この主人公達を武芸者、武士に見立てると、腰抜けの、甚だ滑稽な侍の姿に変じることでしょう。

そのように、安部公房の小説を読んでみることも、一興かも知れません。

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