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2012年9月29日土曜日

安部公房の読者を何と呼ぶか


安部公房の読者を何と呼ぶか


シャーロック•ホームズの愛読者、熱烈なるファンをシャーロッキアンと呼びます。

不思議の国のアリスを書いたルイス•キャロルの愛読者は、キャロリアンと呼ばれています。

さて、安部公房の熱烈なるファンは、何と英語で言うのでしょうか?あるいは、ドイツ語では、ドイツ人は何といっているのだろうか?と、興味を以て、ドイツの友人に訊きましたところ、次のような回答が参りましたので、引用して、あなたにお伝え致します。

わたしは、英語でKoborianというだろうかと尋ねました。


「安部公房のファン」というのを聞いたところ(彼は『砂の女』を早い時期に読んでます)、普通だったら造語として「Koborian」は考えられるけれど、大きなグループではないので、コンテキストで
分る程度で理解はされず、使われていないと思う、ということです。ドイツ語にはそれに相当した言葉はなく、「安部公房ファン」と言うしかない、ということです。


この回答を読むと、安部公房という作家は、少なくともドイツでは、愛読者の大きなグループを持っていないということになります。

また、英語の世界でも、そうであるということを言っています。

この回答者は、出版社の編集者であるので、文学の事情にも詳しいものと思われます。

しかし、考えてみれば、これは安部公房らしいのではないでしょうか。

即ち、安部公房の愛読者は、やはり、一匹一匹のもぐらであって、各自が自分の足下の地面に穴を掘り、毎日こつこつと「外面から内面の為の窪みをえぐり取ろうとする努力」をしている人間だということであれば。

2 件のコメント:

  1. 「外面から内面の為の窪みをえぐり取ろうとする努力」は僕は実力も、根気も足りないのでしていないですが、出来るときが来たらいいなとは思ってます

    むーん難しいと思います…

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  2. Shikiさん、

    コメントありがとうございます。

    少しづつ歩むということで、よいのはないでしょうか。

    そう思います。

    気がつくと、遠い距離になっていますよ。多分、きっと、そう。

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